放課後安心の遊び場 岡谷市田中小に開所

 岡谷市田中町の田中小学校に25日、放課後の子どもたちが集まって遊ぶ「田中小あやめ基地」ができた。保護者や地域住民で構成する「田中小子どもの居場所づくりの会」(宮沢浩美実行委員長、17人)が同市のまちづくり補助金を活用して開設したもので、岡谷市教育委員会によると、市民主導による放課後の居場所づくりは諏訪地方で初めて。初回は同校の児童約35人が参加して開所式を行い、小体育館など四カ所で元気に遊んだ。

 あやめ基地は、校内の学童クラブ教室(土曜日専用)を拠点に、毎週水曜日の午後3時から同5時まで開く。毎回5人ほどのスタッフが常駐し、児童たちは同教室と小体育館、校庭、中庭を遊び場にひと時を過ごす。

 現在の会員登録数は1?6年生37人。スポーツ保険に加入した。児童は出席カードを提出した後、▽友だちと帰る▽保護者が迎えに来る?で色分けをした名札を着用。遊び場と帰宅はスタッフに知らせる約束になっている。

 開所式には、市教育委員会委員や北沢和男教育長らも出席。6年の赤沼知春さん(11)が「思いっきり遊びましょう。大人の皆さんよろしくお願いします」とあいさつ。くす玉を割って開所を祝った。

 児童たちは希望する会場を申告後、遊び場へ直行し、積み木や野球盤、けん玉、あやとり、竹馬などを楽しんだ。3?6年の男児9人は小体育館でハンド(手)べースをした。3年の牛越啓太君(8つ)は「いつもは3年生だけでやっている。やっぱり6年生は強いな」と6年生の背中を追いかけていた。

 同会は、テレビゲームの普及や子どもを狙った犯罪の増加で子どもの外遊びが減り、体力低下やコミュニケーション能力の低下を懸念する保護者や同窓生、市職員、青少年育成団体の役員らで構成。「岡谷市わくわくするまちづくり推進事業補助金」の事業採択を受けて積み木を購入し、使わなくなったおもちゃの寄贈を呼び掛けて環境を整えた。名前はかつて同校周辺に群生していたアヤメにちなんでいる。

 宮沢実行委員長(44)=天竜町3=は「学年を越えた縦のつながりができれば。いろんな遊びを子どもたちが覚え、自分たちで遊びを考えてくれたらうれしいです」と話していた。

長野日報 - 2006年10月25日