運動遊びで心豊かな人間に…幼稚園などで兵庫・豊岡市教委事業


 兵庫県の豊岡市教委は今年度から、3?5歳の幼児期に楽しみながら全身を動かして、突然キレない「心豊かな」人間の育成を目指す「運動遊び」の事業に乗り出した。

 今年度は市内50か所の幼稚園と保育園のうち、試験的に7か所をモデル園に選んで取り組み、来年度から3年計画で本格的な事業展開を目指す。

 少子化・情報化の進展やテレビゲームの普及などに伴い、子どもの遊びが静的になり、「キレる」「荒れる」「校内暴力」「いじめ」などが社会問題化。このため、市は3月、市教育行動計画を策定し、「幼児期の運動遊びの推進」を具体的な取り組みに掲げた。

 市教委は、幼児期の運動が脳に及ぼす影響について研究している松本短期大(長野県松本市)の柳沢秋孝教授(幼児運動学)に注目して、仲義健・学校教育課主任(34)を4月?9月末に派遣。運動プログラムを学んだ仲義主任が11月初めから、7か所の保育園と幼稚園を巡回して指導を行い、普段あまり使わない肩や胸回りの筋肉を動かし、懸垂力、跳躍力などを身につけることを目標にしている。

【写真】クマのまねをして四つんばいになって進む園児(豊岡市立八条幼稚園で)

読売新聞 - 2006年12月6日