本命より幻トラウト 長野・木崎湖


【釣りの旅】下心(したごころ)は釣りの楽しさを倍増する。数年ぶりの豊漁という長野・木崎湖のワカサギ釣りにはひそかな楽しみがある。幻のトラウト、キザキマスが外道として釣れる「ことがある」のだ。当然、ソレを狙ってのスケベ旅。(スポニチAPC若林 茂)

 湖の南端にある釣り宿「星湖亭」から午前7時に手漕ぎボートで出船した。それから2時間、一度もアンカーを下ろさずに“魚探々査”を続けるわがボートを見て、宿では「これじゃ、釣れねぇわ」と心配していたそうである。

 本人はワカサギのポイントとタナ、さらにキザキマスの動向を把握するための「魚探とのにらめっこ」を結構楽しんでいたのだが…。

 そして見つけたワカサギの好ポイントは多くのボートが集中するポイントからは100メートルほど北寄り。白銀に化粧した鹿島槍の頂上を正面に見て、10時から1時間ほど釣れ盛った。6?12センチのワカサギを50匹。途中、キザキマスらしい強い引き込みに10秒間ほど心を熱くしたが仕掛けを2本ダメにされた挙句にプッツン!

 されば奥の手、ムーチングである。背掛けにしたワカサギを、13メートルほどの底近くに泳がせる。そして魚探の画面を「底面ズーム」にして推理と期待の世界に没頭する。もちろん、2本竿でワカサギも釣りながらだが、ワカサギの反応が消えると、キザキマスに追われたのでは…なんて想像、もう、テレビゲームの世界である。

【写真】「来た、入れ食いだ!」朝もやの中、ベテラン手繰り釣り軍団の歓声が響く

スポーツニッポン - 2006/12/10