皮膚電気活動を測定しながら携帯ゲームを遊ぶ被験者

 テレビゲームが開発され、子どもから大人まで誰でも楽しめる娯楽として定着してもう40年近く経った。ところが世間では、「ゲーム脳」をはじめ、「ゲームオタク」、「オンライン・ゲーム中毒」などといったマイナス面ばかりが注目されている。しかし、これだけ普及するには、プラスの面も必ずあるはずだ。

 そうした逆転の発想でテレビゲームの「効能」にターゲットを絞った研究が、本学の「こどもメディア研究所」を中心に約1年かけて行われ、その成果がこのほど発表された。このユニークな研究を本庄キャンパスにおいて展開している国際情報通信研究科の河合隆史助教授にお話を伺った。

 この「ゲームの処方箋プロジェクト」は、2005年に創立50周年を迎えたゲームメーカー?ナムコがそれを記念して、本学のこどもメディア研究所(所長/坂井滋和国際情報通信研究科教授)と財団法人ニューテクノロジー振興財団と共同で立ち上げたものだ。

 本プロジェクトでは約1年間をかけて、テレビゲームが人間に与える良い影響(効能)と、その活用方法(処方)に関する研究を行った。科学的アプローチを用いて個々のゲームの特性を明確にしながら、最適な活用方法に関する知見を得ることを研究目標にした。

 また医療機関の協力を得て、発達障害を持つ子どもたちを対象にテレビゲームの遊び方に関するフィールド調査も行った。

早稲田ウィークリー - 2007/1/11