高山「眼力」で世界王座返り咲き狙う

WBA世界ミニマム級5位高山勝成(23=グリーンツダ)が、ケビン式で鍛えた眼力で世界王座返り咲きを狙う。7日に大阪国際会議場で行われる同級1位カルロス・メロ(パナマ=23)との同暫定王座決定戦の予備検診が5日、大阪市内で行われた。前WBC王者高山は昨年8月の世界戦に比べ、左目の視力が0・7から1・5に大幅にアップしていることが判明。昨年9月からプロ野球の清原和博内野手(オリックス)らを手がけるケビン山崎氏の指導で、動体視力を鍛えた成果が出た。

 高山が世界王座返り咲きに自信を深めた。昨年8月のイーグル京和戦から、視力が大幅にアップ。特に0・7だった左が1・5に回復。右も1・0から1・2と向上した。高山は「テレビゲームをやらなくなったからかな」とおどけてみせたが、目を鍛えた成果が数値に現れた。まさに視界は良好だ。

 イーグル戦での王座陥落後、ケビン山崎氏のもとで肉体改造に励んできた。同時に、動体視力の強化も行った。パソコンのモニターに次々と現れる数字や、壁に書かれた文字を読み上げる。相手パンチを瞬時に見切るための訓練だ。「練習をしてきたので、次第に反応が良くなっている」と高山。藤原仁志コミッションドクターは「そういった練習で視力も上がることはある」と話した。

 テーマだった心配機能の強化にも成功した。脈拍はこの日の診断で55。WBC王座を奪取した昨年4月のブストス戦では68で、イーグル戦では59と、スタミナ強化に磨きがかかった。「ラウンド間の1分間ですぐ体力が戻るようにしたかった」と中出博啓トレーナー。藤原医師が「スポーツマン心臓」と評するほどに成長した。

 検診後には、試合に来場予定のファンの子供たちが作ってくれたダンボール製のWBAベルトを披露。高山は「彼らのためにも勝ちたい」と気合を入れ直した。1年以上かけてパワーアップさせた目と肉体で、光り輝く本物のベルトを見せるつもりだ。【大池和幸】


なにわWEB - 2006年11月5日