ドイツでテレビゲーム禁止論も浮上

ドイツ西部エムスデッテンの実科学校で18歳の元生徒が銃を乱射し27人が負傷した事件で、元生徒が暴力的な内容のテレビゲームに没頭し、違法な武器を入手して「戦争ごっこ」をしていたことから、政界からテレビゲーム禁止論も出てきた。

 元生徒は事件前日の19日、本人が作成したとみられるウェブサイトに「学校への復讐」を予告する手紙と、迷彩服を着て森の中で銃を構える自らの姿を撮影した映像を載せた。サイトには、アニメのキャラクターが銃を撃って人を殺すゲームのようなシーンも登場する。

 与党、キリスト教民主同盟(CDU)のボスバッハ議員は21日、「殺人ゲームの禁止」をインターネット新聞で呼び掛け、ニーダーザクセン州のシュルマン内相も連邦レベルで禁止する方策を検討するよう要求。一方、野党からは「効果はない」と反対の声が上がった。

 ある心理学者はテレビの番組で、元生徒が現実と仮想の世界を取り違えたと指摘。テレビゲームが「戦争ごっこ」に走らせた可能性があると分析した。

日刊スポーツ - 2006年11月21日